エゴ

どんな言葉で唄おう
通り過ぎた風景を
長く伸びた影はもう
明日へと続く

あの日描いた日常は
腕の中をすり抜けて
「それでも」なんて言えるはずもない
僕はまだ僕のままだ

歩道橋 見下ろした街
風に消されて届かなかった声
忘れたふりしてみたって
今もどこか胸の奥に

いつかきっと どこかにきっと
探した答えがある
震える喉で 伝えたくて
いくつも嘘にしてしまったけれど

汚してしまった 掠れてしまった
この目に映るのは
結局いつだって
彼方だけのようみたいなんだよ
なんてまた呟いた


どんな心を繋ごう
いびつだって構わなくて
巡り巡った時間の中で
見つけられただろうか

手を振った 後ろ姿
その距離さえ泳ぎきれなかった声
解ったふりしてみたって
今もずっと胸の奥に

いつかきっと それでもきっと
思い出せなくなるよ
手に入れる度 手放すことに
臆病になって目を背けてきたけれど

数えるのは 失くしてしまった
モノの数なんかじゃなくて
優しさによく似た
やわらかい光の先で
燈った想いでいたいんだ