月の引力

もう寝てしまおう
起きてる必要もない
開けっ放しのドアが
風に泣いている

 

やがて来る朝に
僕は何を望めばいい
止まった枕元の
時計はそのままで

 

まだ少し蒸し暑い
網戸越しの街
しばらくすれば動き出す
僕を置き去りにして

 

泳いでいくこの日々を
もがくようなフォームのまま
月の引力に負けないように
ただ必死にこの手を伸ばす

 

 

もうやめてしまおう
言葉も意味を持たない
開けっ放しのドアが
風と唄ってる

 

ただ僅かなもの
気だるい午後の日差し
どれだけ今この身体に
残せているのかな

 

走っていくこの日々を
切らす息の続く限り
褪せる心に気づかぬように
ただ必死にこの身を焦がす

 


泳いでいくこの日々を
もがくようなフォームのまま
月の引力に負けないように
ただ必死に

 

走っていくこの日々を
切らす息の続く限り
褪せる心に気づかぬように
ただ必死にこの手を伸ばす