エンドロール

水溜りに写った
歪んだ街の色
ページを一つ捲るように
重さのない今日がまた終わる

ゆっくりと頬を撫でた
風が揺らした君の前髪
触れてしまったら
何処かへ消えそうで
震えてた

サヨナラ サヨナラ
記憶の淵溺れていくその前に
もう二度と逢えない
決めた夜だけはせめて
裏切りたくない


絡んだ糸はまだ
心に縛りついて
解こうともがくほど
堅く強くその痕をつける

あの日君が教えてくれた
歌の中の二人に重ねて
止まぬ雨さえ
怖くはならないと
信じてた

サヨナラ サヨナラ
澱む雲が滑り出すその下で
「またいつか会いましょう」
なんて云いたくないよ
嘘になるから


さよなら さよなら
もしも時間が何もかも還しても
もう二度と逢わない
決めた自分だけはせめて
裏切りたくない

サヨナラ サヨナラ
同じ風がこの夜を揺らしても
「またいつか会いましょう」
なんて云わないでいよう
嘘になるなら